ステロイドで改善しない難聴
根本原因の解決は「時間」との戦いです

ステロイドで改善しない難聴、根本原因の解決は「時間」との戦いです

突発性難聴の治し方

突発性難聴の鍼治療について説明する鍼灸師

●更新 2025.12.22

音声で解説!
突発性難聴の治し方とは?

音声では、突発性難聴を「耳の奥まで血がうまく流れず、回復に必要な力が届きにくくなっている状態」として、まず病院での治療がなぜ大切なのかをわかりやすく説明しています。
さらに、強いストレスや首・肩のこわばりが回復を妨げることがある点にも触れ、鍼治療などの考え方をやさしい言葉で紹介しています。
お風呂の入り方や音との付き合い方など、療養中に自分でできる工夫もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

※出典1 金原出版 EBMからみた突発性難聴の臨床
※出典2 金原出版 急性感音難聴診療の手引き 2018年版
※出典3 ENT臨床フロンティア 急性難聴の鑑別とその対処
※出典4 月刊ENTONI 「突発性難聴 update」
※出典5 森上鍼灸整骨院 「治療に対する考え」

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ホスト:さて、今回はあなたが提供してくださった資料をもとに、突発性難聴について深く掘り下げていきたいと思います。

ゲスト:よろしくお願いします。

ホスト:ある日突然、片方の耳が聞こえにくくなるこの症状、本当に不安ですよね。

ゲスト:ええ、原因がはっきりしないことも多くて、情報が少なくて困っているという方が本当に多いんです。

ホスト:ですよね。で、今回手元にあるのが、まず森上鍼灸整骨院。

ゲスト:森上鍼灸整骨院ですね。

ホスト:はい、そちらの鍼灸師、宮原魁都さん。

ゲスト:宮原魁都さん。

ホスト:ええ。彼が執筆したウェブ記事と、あとは同院の院長による治療に対する考えをまとめた資料。これが一つですね。

ゲスト:はい。

ホスト:そしてもう一方の柱として、より医学的な視点からの参考文献リストもいただいています。

ゲスト:そうなんです。鍼灸院の視点だけでもなくて。

ホスト:ええ、「EBMから見た突発性難聴の臨床」、それから「急性感音難聴診療の手引き」。

ゲスト:はい。

ホスト:さらに「突発性難聴Update」、そして「急性難聴の鑑別とその対処」、この4つですね。

ゲスト:ええ、そうです。

ホスト:なので今回のミッションは、この鍼灸院が提唱するアプローチと、標準的な医学の知見をこう比べながら。

ゲスト:ええ。

ホスト:治療の選択肢と、あと回復のために自分で何ができるのかを多角的に探っていこうと。

ゲスト:はい。今回はその鍼灸院という一つの専門的な視点と医学的なガイドラインの両方から光を当てることで、あなたにとって最も納得のいく知識を整理していけたらと思っています。

ホスト:では早速見ていきましょう。まずその森上鍼灸整骨院からの資料なんですが、回復のために最も重要だとなんか繰り返し書かれているポイントがありますね。

ゲスト:はい。

ホスト:内耳にしっかり血流を届けること。これは、えーと、どういう理屈なんでしょうか?

ゲスト:はい、資料によるとですね、突発性難聴っていうのは音を感じる器官、つまり内耳にある蝸牛。

ホスト:蝸牛ですね。

ゲスト:ええ、その蝸牛と有毛細胞という部分が、まあ何らかの原因で弱ってしまう状態だと説明されています。

ホスト:ふむふむ。

ゲスト:で、この細胞が回復するためには、やっぱり栄養と酸素が不可欠なんです。

ホスト:はい。

ゲスト:それらを運ぶのがご存知の通り血液というわけですね。

ホスト:ああ、なるほど。つまり、いくら良い薬を飲んだとしても、それを患部まで運ぶ。配送トラックにあたる血流が滞っていたらもう意味がないということですか?

ゲスト:まさにその通りです。病院で処方される「ステロイド」とか血流を改善する「アデホスコーワ」、ビタミン剤の「メチコバール」といった薬も血流に乗って届いてそこで初めて効果を発揮するわけですから。

ホスト:なるほど。

ゲスト:ええ。資料ではこの血流が滞りやすい体質のことをユニークな言葉で梗塞体質と呼んでいますね。

ホスト:梗塞体質ですかこれはこの鍼灸院の、まあ独自の言葉なんですかね。それとも漢方とかでは一般的なんでしょうか

ゲスト:いい質問ですね。これはですね、この鍼灸院が臨床の経験から作り上げた言葉のようです。

ホスト:へえ。

ゲスト:資料にも、ご家族に脳梗塞や心筋梗塞を経験された方がいる場合など、体質的な要因も関係するとあって、東洋医学でいう瘀血。瘀血ってありますよね。

ホスト:はい。血の巡りが悪い状態。

ゲスト:あれに近い概念をよりわかりやすく表現していると。まあそう解釈できますね。

ホスト:なるほど。だからこそ、自分でできるケアとして体を温めることが有効なんだと。

ゲスト:ええ。

ホスト:お風呂に浸かったり、温かいタオルを首とか肩に当てたり、シンプルですけど理にかなってるんですね。

ゲスト:そうなんです。血管を緩めて薬が通る道をこう、広げてあげるイメージですね。ただ面白い注意点があって、熱すぎるお湯は逆効果だって言うんですよ。

ホスト:えっと、そうなんですか?てっきり熱い方が血行が良くなりそうなイメージですけど。

ゲスト:人間の体って、熱すぎると防御反応で緊張しちゃうんです。それでかえって血管が収縮することがあるそうで。だから気持ちいいなぁと感じるくらいがちょうどいいってことですね。

ホスト:体を温めるだけでも、そんなに奥が深いんですね。でもですよ、温めても薬を飲んでも改善しない場合はどうすればいいんでしょうか。その血流を妨げているもっとこう根深い原因があると資料は指摘しています。

ゲスト:はい。そこがこの鍼灸院のアプローチのまあ、核心部分になりますね。

ホスト:ほう。

ゲスト:血流の通り道を塞いでしまう二大要因として、自律神経の乱れと首の歪みを上げています。

ホスト:ストレスと首の骨格の問題ですか。

ゲスト:ええ。まず自律神経ですが、慢性的なストレスで交感神経が優位になると、体は常に戦闘モードになりますよね。

ホスト:なりますね。

ゲスト:血管は収縮して、特に体の末端である耳の奥深くには、どうしても血液が届きにくくなる。体が回復モードに切り替われないんです。

ホスト:なるほど。

ゲスト:そしてもう一つの首の歪み。これが単なる肩こりとはちょっと違うんですね。

ホスト:と言いますと?

ゲスト:資料によれば、首の骨に側弯とかねじれがあると、内耳へ血液を送る椎骨動脈という、まあ非常に重要な血管が物理的に圧迫されることがあると。

ホスト:椎骨動脈。

ゲスト:はい、そうなると。いくら全身の血流を良くしようとしても、首のところでボトルネックができてしまっているという状態になるわけです。

ホスト:それは興味深いですね。あなたが提供してくださった「急性感音難聴診療の手引き」といった医学的な資料を読むと、突発性難聴の原因はウイルス感染説とか血流障害説が中心で、首の構造的な問題が主要因として扱われることはあまりないように見えますが。

ゲスト:まさにそこが面白い点なんです。標準的な医学は内耳そのものの問題に焦点を当てますけど、この鍼灸院は内耳へ栄養を送るインフラの問題、特に首の構造に着目している。

ホスト:ああ、なるほど。

ゲスト:これは西洋医学的な治療を補完する、まあ新しい視点と言えるかもしれないですね。だからこそ、彼らのアプローチとして鍼治療が出てくるわけです。

ホスト:なるほど。単にツボを刺激するとかじゃなくて、自律神経のバランスを整えたり、首周りの筋肉の緊張をほぐして骨格を調整することで、血流のボトルネックを解消する。

ゲスト:その通りです。

ホスト:薬が効きやすい体づくりを目指すというわけですね。

ゲスト:ええ。そのために聴力検査だけじゃなくて、時間の機能とか鼓膜の状態、それから全身の歪みや血流、ストレス状態まで多角的に検査して原因を特定すると書かれています。

ホスト:徹底してますね。

ゲスト:ええ。この記事を書いた宮原魁都さんは、高校サッカーで全国大会に出場した経験を持つ方だそうで、その粘り強さで治療に臨んでいるという紹介もなんか印象的でした。

ホスト:なるほど。で、その治療と並行して、院長の治療に対する考えをまとめた資料に書かれていた日常生活の過ごし方がまた驚くほど具体的でした。安静にすることが基本ですけど、その中身がただ休むのとは全然違う。

ゲスト:そうなんです。まず、治療で使われるステロイドの副作用について言及していますね。ステロイドって強力な抗炎症作用があるんですけど、副作用で精神が不安定になって、うつ状態とか不眠を引き起こすことがあると。

ホスト:うわぁ。

ゲスト:これは知っておくべき重要な情報だと思います。

ホスト:治療の薬自体が精神的なストレスになり得ると、これは知らないと、自分の心が弱いからだなんて余計に思い詰めてしまいそうですね。

ゲスト:まさに。だからこそ、不安を感じたら専門家に相談することが大事なんだと強調されていますね。次に、音の管理。これもユニークでした。

ホスト:雑踏では、良い方の耳に耳栓をするっていう部分ですね。普通、聞こえにくい方の耳を保護するのかと思っちゃいますけど。

ゲスト:ええ。これは、聞こえの良い方の耳から入る大きな音が、脳にとって過剰な負担になるからだそうです。

ホスト:へー。

ゲスト:左右の聞こえのバランスが極端に違うと、脳が混乱してしまうと。音が響いて辛い場合は、両耳にイヤーマフも有効だそうです。

ホスト:なるほど。

ゲスト:一方で、耳鳴りが気になる場合は、完全な静寂は避けるというのも面白い点ですね。

ホスト:ああ、静かすぎるとかえって自分の耳鳴りが気になってしまうから。

ゲスト:その通りなんです。ラジオなんかを小さな音で流しておくことで、耳鳴りから意識をそらす効果があるんですね。音環境をこう、能動的にコントロールすることが重要だというメッセージです。

ホスト:他にも身体的な注意点として、内耳に圧をかけないっていうのもありましたね。強く鼻をかむとか、いきむとか、重いものを持つとか。

ゲスト:ええ、これは突発性難聴と症状が似ている外リンパ瘻という、内耳に穴が開いてしまう病気の可能性を考慮してのことですね。

ホスト:ああ、そういうことですか。

ゲスト:はい。内耳に強い圧力がかかる行為は、症状を悪化させるリスクがあるので注意が必要だと。

ホスト:そして、セルフケアの具体策ですよ。お風呂の入り方まで書いてあるのには驚きました。39度のお湯に追い炊きをしながら20分。

ゲスト:家庭のお風呂はすぐお湯が冷めるからっていう理由まで添えられていましたね。徹底してますよね。

ホスト:すごいですよね。

ゲスト:で、カフェインの入っていない温かい飲み物を取る、睡眠に関しても、寝る前に手足の力を順番に抜いていくイメージを持つ、認知行動療法が紹介されていました。

ホスト:眠れない時のアドバイスも具体的でした。幸せな気持ちになる映画を音声なし字幕で見るって。

ゲスト:サスペンスはダメと書いてありましたね。

ホスト:ええ、これは脳を興奮させずに、でも退屈はさせないっていう絶妙な工夫なんでしょうね。

ゲスト:そういうことでしょうね。さらに禁煙、禁酒。そしてめまいが残る場合は、クラッチ杖なんかを使って積極的に歩くことも推奨されています。

ホスト:へえ、

ゲスト:安全を確保した上で体を動かすことも、回復プロセスの一部だという考え方なんですね。

ホスト:大きく分けて二つの柱が見えてくる気がします。

ゲスト:ええ。まず第一の柱は、病院を中心とした医学的アプローチですね。まずは、ステロイドなどで内耳の炎症を抑えて血流を改善する薬物治療。これが基本になります。

ホスト:これがいわゆる標準治療、ですね。

ゲスト:はい。そして、今回の鍼灸院の資料が提示しているのが、それでも効果が出にくい場合に検討するもう一つの可能性。

ホスト:ふむ。

ゲスト:つまり、自律神経や首の歪みといった血流を妨げているかもしれない根本原因を探って、鍼治療のようなアプローチで、体を薬が効きやすい状態に整えていく。これがまあ補完的なアプローチと言えるでしょう。

ホスト:そして、それら専門家の治療を支えるもう一つの、これは非常に重要な柱がありますね。

ゲスト:はい。それが第二の柱、患者さん自身による徹底した自己管理と環境づくりです。

ホスト:ええ。

ゲスト:これは単に休むという受け身の姿勢じゃないんですね。音の環境を積極的に作ったり、ステロイドの副作用も理解した上で心の状態を管理したり、内耳に圧をかけない生活を意識的に送る。

ホスト:お風呂の入り方から映画の選び方まで、すべてが治療の一環になるという考え方ですね。

ゲスト:そういうことです。専門家による治療と自分自身の積極的な療養生活、この両輪が揃って初めて回復への道が力強く開けていくと、これらの資料は示唆しているわけです。

ホスト:なるほど。西洋医学的なアプローチと東洋医学的な視点、そして日々の生活習慣、それらが全部つながってるんだってことが見えてきますね。

ゲスト:まさにその通りです。

ホスト:内耳の血流っていうミクロな話から、首の構造、更には生活習慣まで、本当に包括的な内容でした。

ゲスト:ええ、特に発症の誘因となり得るストレスと、治療に使う薬の副作用によるストレスという、こう難しいサイクルがあることが浮き彫りになりましたよね。

ホスト:なりましたね。

ゲスト:そこで、最後にリスナーに考えてみてほしい問いがあります。

ホスト:はい。

ゲスト:今回の資料は、患者さんがいかに自分の回復に積極的に関わるかの重要性を示していました。入浴法から音の管理まで、療養期間はただ待つんじゃなくて、能動的な自己治療の時間とも言えるわけです。

ホスト:確かに。

ゲスト:そこで、この問いを投げかけたいと思います。もしこの療養期間を、治療の空白期間や待機期間と捉えるのではなく、治療プロセス全体における最も重要な主体的な治療期間と再定義するならば、医師や治療家と患者との間のコミュニケーションは、初日からどのように変わるべきでしょうか。

※出典1 金原出版 EBMからみた突発性難聴の臨床
※出典2 金原出版 急性感音難聴診療の手引き 2018年版
※出典3 ENT臨床フロンティア 急性難聴の鑑別とその対処
※出典4 月刊ENTONI 「突発性難聴 update」
※出典5 森上鍼灸整骨院 「治療に対する考え」

突発性難聴に治し方はありますか?

突発性難聴に治し方はありますか?|長野市J.S.様

ネットで調べると治療法はいろいろ出てくるのですが、
「結局なにをすると良くなるのか」が分かりません。
自宅でできるケアや、治りやすくする方法はありますか?

長野市 J.S.様

突発性難聴の回復には、まず内耳にしっかり血流を届けることがとても重要です。
体が冷えていたり血の巡りが悪い状態だと、お薬の成分が耳の奥まで届きにくく、思うように回復が進まないことがあります。

そのため、体を温めて血流を整えることは、ご自宅でできるケアの中でも特に効果的です。「どんなふうに温めればいいのか?」については、このあと詳しくご説明します。

ただ、体を温めても十分な改善がみられない場合は、首の歪みや自律神経の影響で、内耳までの血流がうまく流れていないこともあります。

当院では、こうした状態を全身検査で確認し、必要に応じて鍼治療で血流の通り道を整えていきます。

鍼灸師 宮原 魁都

突発性難聴では体を温めると回復しやすくなります

体がしっかり温まっていると、耳の奥まで血のめぐりが良くなり、 回復しやすい状態を作ることができます。

突発性難聴では、内耳に十分な血流が届かず、 音を感じる細かい組織が弱ってしまうことがあります。 体を温めることで全身のめぐりがスムーズになり、 耳の修復に必要な栄養や酸素が届きやすくなります。

お風呂にゆっくり浸かったり、温かいタオルを首や肩にあてるなど、 無理のない範囲で体を温める習慣を取り入れてみてください。 肩まわりがほぐれるだけでも、耳までの血流が届きやすくなることがあります。

ただし、熱すぎるお湯は体が緊張してしまい、 かえって血のめぐりが悪くなることもあります。 ほんのり温まる程度を目安に、気持ちよく続けられる方法を選びましょう。

体を温めると薬(ステロイド・アデホスコーワ・メチコバール)が効きやすくなる理由

ステロイドやアデホスコーワ、メチコバールなどのお薬は、 血流に乗って内耳まで届けられることで効果を発揮します。

しかし、体が冷えていたり血のめぐりが弱っていると、 お薬が耳の奥まで届きにくくなり、 「効いていないように感じる」ことがあります。

当院では、このように全身のめぐりが弱って薬が届きにくい状態を 「梗塞体質(こうそくたいしつ)」と呼んでいます。 かんたんに言えば、血流が滞りやすい体質のことです。

特にふくらはぎや手足が冷えやすい方は、 体のポンプ機能が弱くなり、 内耳まで十分な血が流れにくくなることで、 お薬の効果が伝わりにくくなる場合があります。

体を温めることで血管がゆるみ、全身に血が巡りやすくなるため、 薬が届く道が開き、効果を感じやすくなる方もおられます。

下の温度画像は、鍼治療によってふくらはぎの血流が改善した方の例です。 めぐりが良くなることで体全体が温まりやすくなり、 耳への血流にも良い影響が出てきます。

治療前

血流が悪く体温が低いふくらはぎ|鍼治療前

治療後

血流が改善し体温が上がったふくらはぎ|鍼治療後

このように、まずは血流が通りやすい状態を作ることが、 お薬の効果を引き出す第一歩になります。

温めても薬の効果を感じない場合は?

体を温めても、ステロイドやアデホスコーワ、メチコバールの効果を あまり感じられない場合は、 耳の奥まで十分な血流が届いていない可能性があります。

ステロイドは、発症してすぐに投与すると回復につながることがありますが、 すべての方に十分な効果が出るわけではありません。 病院ではその後、血流や神経の働きを助ける目的で、 アデホスコーワやメチコバールが処方されることが多いです。

それでも症状が続く場合は、薬が悪いわけではなく、 「薬が届くための血流の通り道」がうまく働いていない ことが考えられます。 ふくらはぎや手足の冷えが強い方、首や肩が緊張しやすい方は、 内耳までの血流が途中で滞り、薬の効果を感じにくくなることがあります。

実際、当院に来られた方のお話では、 「処方を続けても症状があまり変わらなかった」という声も多く、 そのタイミングで他の治療法を調べ始める方が少なくありません。

温めても「耳の奥」に血流が届かないケースとは

突発性難聴については、お医者様の中に 「耳の中で血流が急に滞った状態」と考える先生や、 「耳梗塞」と表現される先生もいらっしゃいます。 これは、脳梗塞と同じように、 体の中で血の流れが一時的に偏った結果として起こる、という考え方の一つです。

実際には、夜間に血圧が下がっている時や、 食事中に胃や腸へ血流が集中している時など、 内耳に十分な血流が回りにくいタイミングで 発症するケースが多いとされています。

こうした血流の偏りは、 高血圧や糖尿病などの生活習慣が影響することもありますが、 体質や遺伝的な要因が関係する場合もあります。 直系のご家族に脳梗塞や心筋梗塞を経験された方がいる場合は、 血流が滞りやすい体質を持っている可能性も考えられます。

このような体質的な背景があると、 体を温めたりお薬を使っても、 耳の奥まで血流が十分に届かないケースが出てくることがあります。

梗塞体質|直系の近親者

自律神経と首の歪みを整えて、内耳まで血流を通す鍼治療について

ステロイドやアデホスコーワ、メチコバールといったお薬は、 血流に乗って内耳まで届くことで効果を発揮します。 しかし、強いストレスが続いて体が緊張していたり、自律神経が乱れていると、 血管が収縮して耳の奥まで血流が届きにくくなることがあります。

特に慢性的なストレスがある状態では、交感神経が優位になり、 体が回復しようとする力がうまく働かなくなります。 突発性難聴の回復には内耳へ十分な血液を送る必要があるため、 自律神経を整えることはとても大切です。

また、首の歪み(側弯やねじれ)があると、 内耳へ血液を送る椎骨動脈が圧迫され、 体を温めたり薬を飲んでも「耳の奥に血流が届かない」状態になることがあります。 首の歪みを整えることで、はじめて血流が通りやすくなり、 症状が改善へ向かうケースも少なくありません。

当院では、血流の状態・自律神経の働き・首の歪みを全身検査で確認し、 必要に応じて鍼治療で深部の血流を通すアプローチを行っています。 体表温度や血流の変化を確認しながら治療を進めることで、 お薬の効果が発揮されやすい体づくりを目指しています。

治療前

ストレスで温度が低下した顔|鍼治療前

治療後

血流が改善し体温が上がった顔|鍼治療後

回復を早めるために、ゆっくり睡眠をとることが大切です

突発性難聴からの回復を早めるためには、 まず体と心をしっかり休ませることがとても大切です。 無理をせず、できるだけ安静に過ごすようにしましょう。

可能であれば入院して静かな環境で過ごすのが理想ですが、 入院が難しい方や、ご自宅で十分に休めない場合には、 通院期間中にしばらくホテルなどで静養される方もおられます。 それだけ「環境を整えること」が回復に影響するということです。

また、鍼治療後は体が修復しようと働き始めるため、 ゆっくりと睡眠をとっていただくことで、 ノンレム睡眠中に体の修復力(自然治癒力)が高まりやすくなります。

睡眠不足や無理が続くと、血流や自律神経のバランスが乱れ、 回復に時間がかかってしまうこともあります。 治療の効果を十分に引き出すためにも、 「しっかり休むこと」も治療の一部として意識してみてください。

著者情報

森上鍼灸整骨院 鍼灸師 宮原 魁都

私が書きました

森上鍼灸整骨院 鍼灸師 宮原 魁都

高校サッカーで全国大会に出場。プロを目指すも高い壁が立ちはだかり、鍼灸の道に進む。ずば抜けた根性と精神力で、院長から課される難題をコツコツとクリアし、突発性難聴の鍼治療で成果を上げている。

当院について

長野県須坂市にある鍼灸整骨院です。

森上鍼灸整骨院 鍼灸師、スタッフ

聴力検査、医療用サーモグラフィ、循環器エコー、モアレトポグラフィで全身検査をおこない、突発性難聴を根本原因から解決する鍼治療に取り組んでいます。

原因を素早く見つける

耳鼻科専門の鍼灸院6つの検査

  • オージオグラム

    聴力検査

    骨導と気導の状態は、幅広い音域を使って「音を聴き分けられるか」を確認し、鍼の効果を最大限に引き出すツボを選定します。

  • 耳管機能検査装置

    耳管機能の検査

    日本で流通している唯一の検査機器で、耳管機能不全の有無を確認し、聴こえを良くするための鍼治療に活かします。

  • インピーダンスオージオメータ

    鼓膜と中耳の検査

    鼓膜の動きと中耳の気圧状態を確認し、検査結果から中耳炎の後遺症や、顔面神経麻痺後遺症の鍼治療に活かします。

  • 体の歪みの検査:モアレトポグラフィ

    体の歪み

    首の側弯は椎骨動脈を圧迫して脳や内耳の血流を悪くするため、モアレトポグラフィで確認し、歪みを治す鍼治療をします。

  • 血流の検査:循環器用エコー

    血流の異常

    自然治癒力の低下は血流の異常で分かるので、循環器用エコーで手足や首の状態を確認し、血流改善の鍼治療をします。

  • ストレスの検査:医療用サーモグラフィ

    ストレス状態

    治りを妨げるストレス状態は体表温度に現れるので、医療用サーモグラフィで確認し、自律神経を整える鍼治療をします。

患者様の声

  • 突発性難聴発症後の滲出性中耳炎の鍼治療をされた 長野県Y.T.様

    Y.T.様長野県

    滲出性中耳炎

    耳詰まりが楽になった

    突発性難聴の治療でやった高気圧酸素療法で、耳抜きが出来なかったせいか滲出性中耳炎になってしまいました。耳が詰まって肩こりにも悩んでいたのですが、鍼治療のかいがあってだいぶ楽になりました。睡眠もしっかりとって、もっと状態を良くしていきたいです!

  • 静岡県S.T.様

    S.T.様静岡県

    ストレス性の突発性難聴

    楽しむ気持ちで通院

    突発性難聴を治すためにはリラックスが大切だと言われたので、治そうという気持ちよりも長野旅行を楽しむ気持ちで通院しました。近くに日帰り温泉があったので、温泉に入ってから帰路につくこともありました。その後の経過は順調で、無事に仕事に復帰できるまで回復しました!

  • 突発性難聴の鍼治療をされた神奈川県H.A.様

    H.A.様神奈川県

    ステロイドが効かない突発性難聴

    耳鳴りが改善!

    糖尿病があるので、血糖値のコントロールをしながらステロイドの点滴をしたのですが、一向に治らず。先のことを考えて毎日毎日不安でした。でも森上さんで鍼を始めてからは、1週間経つ頃には耳鳴りがだいぶ改善!まさかこんなにも効果が現れるとは。本当に心から感謝しています。

※「患者様の声」は 個人の感想です。
疾患により治療法や効果の出方が変わります。

不調の根本原因は人によりさまざまなので、当院では全身検査をしたうえで、その患者様に合った治療法をご提案しています。
分からないことやご不安なことは、「今すぐ無料相談する」ボタンからご相談ください。