時間が経過した突発性難聴は回復しますか？

時間が経過するほど治りづらくなります

突発性難聴は急に聴力が低下するので、異変に気づいて早期に病院に行かれる方が多いと思いますが、稀に聴力低下に気づかずしばらく放置してしまったケースや、お医者様の治療を続けても改善せず、発症から時間が経過してしまったケースもあります。

いずれも、突発性難聴の発症から時間が経過するほど良い耳に負担がかかるので、自覚のないうちに良い耳の聴力まで低下し、治りづらくなる可能性が高くなります。

ステロイド・アデホスコーワ・メチコバールなどが使われます

突発性難聴は、内耳に炎症が起こっている状態だと考えられているため、お医者様の治療ではステロイドで炎症を止める治療をされます。
※ステロイド…人間の副腎でつくられるステロイドホルモンを化学合成したもの

ステロイドで効果がないと「積極的な治療」は終了し、「後遺症の治療」として、アデホスコーワやメチコバールで経過観察する場合が多いです。

過度なストレス・体の側弯・血流の悪化

お医者様の治療で治らなかった患者様のお体の検査をすると、過度なストレスで体温が低くなっていることや、首が曲がっていることで椎骨動脈を圧迫し、内耳に向かう血流を妨げているケースが多いです。

薬で突発性難聴が治らなかったら、少し視点を変えて全身にフォーカスし、鍼治療でお体の土台作りから始めると、発症から時間が経過していても改善する見込みはあると、私たちは考えています。

発症から1ヵ月

突発性難聴は、発症からの時間が短いほど改善する確率が高いですが、1ヵ月程度の時間経過なら良くなることが多いので、お早めに鍼治療を始めていただくことをおすすめします。

※当院には、お医者様の治療を受けられてから来院する患者様がほとんどですが(発症から4週間程度経過)、鍼治療で聴力が回復する方は多いです。

発症から2ヵ月

突発性難聴の発症から2ヵ月ほど経過すると、脳が聴力が低下した状態を正常と認識し始めるため、発症から1ヵ月の方と比べると治りは遅くなります。

ただ、この時点で耳鳴りや音の響き、音割れが気になっている方は、聴力が回復する可能性が高いので、しっかり治療に取り組まれた方が良いです。

発症から3ヵ月

改善に時間はかかりますが、少しずつ聴力が回復するケースは多いので、鍼治療は継続されることをおすすめ致します。

当院では、耳と脳の連携を整える音響療法のリハビリもご提案しています。発症から3カ月経過した方でも、鍼と音響療法の併用で、耳鳴りや耳閉感が気にならなくなる方もいます。

全身検査をしたうえで鍼治療をしています

突発性難聴は「原因が特定できない感音性難聴」ですが、血液循環障害やストレスが引き金となって発症することが多いので、私たちは医療用サーモグラフィを使ってお体の状態を確認し、ストレスを解消する鍼治療からおこなっています。

※医療用サーモグラフィを使う理由…ストレス状態は体表温度にあらわれるので(過度なストレスを感じると体温が低くなります)、医療用サーモグラフィで検査をすると、効果的なツボの選定に役立ち、聴力が回復しやすいお体を作る鍼治療ができます。

鍼治療＋音響療法をすると効果が高まります

突発性難聴の発症から時間が経過している方は、鍼治療と合わせて音響療法もおこなうとより効果的です。

音は耳と脳とで聴いていますが、突発性難聴で急に聴力が低下すると、脳が不安を感じて感度を上げるため、耳鳴りや音割れが強くなります。音響療法で耳と脳の聴こえのリハビリをすると、聴力が回復することが多いので、不快な耳鳴り・音割れ・耳閉感などが徐々に気にならなくなります。

現状の治療と、再発を防ぐ治療の継続が大切です

鍼治療で突発性難聴が治ると証明した研究結果はありませんが、鍼は細胞の成長を促し免疫力を保つ作用が期待できることから、自然治癒力が向上し、改善に向かいやすくなる体作りができるのではないかと思います。

また、「血栓ができやすい体質」の方が、突発性難聴を発症すると考えるお医者様がいますが、当院としても血栓体質の方が発症しやすく、再発する可能性も高いのではないかと考えています。

全身検査をすると血栓ができやすい体質なのかが分かり、体質を改善する鍼治療や再発を防ぐ鍼治療も可能なので、お医者様から、慣れるしかない・これ以上は治らないと言われた方でも、諦める前に一度当院までご相談ください。