ステロイドの副作用
更新 2024.02.22
突発性難聴と診断されてステロイドを処方されました。耳鼻科の先生はさほど気にしていないようですが、糖尿病があるので副作用が心配です。
突発性難聴でステロイドを使うと、どんな副作用がありますか？
ステロイドの副作用には、血圧や血糖値上昇などがあるので、糖尿病の方はお医者様としっかりご相談いただくことをおすすめ致します。
また、鼓膜に繰り返しステロイド注射をすると、感染症のリスクが高まり、最悪のケースだと耳が聴こえなくなってしまうことや、突発性難聴の症状と副作用が重なると、うつ状態になってしまうこともあるため、ご不安な方はこのページをご覧ください。
ステロイドとは、もともと人間の副腎でつくられるステロイドホルモンを化学合成したもので、炎症と免疫を抑えるはたらきをします。
※夜間の行軍や戦闘能力を高めるために、第二次世界大戦中にドイツとアメリカで精製され、ストレスがかかった時に血圧を上げて、体を元気にするために作られたと言われています。
突発性難聴の発症は、ストレスが引き金になったり内耳に炎症が出ていたりすると考えられていることから、ステロイドがもつ「ストレスを跳ね返し、炎症を抑えるはたらき」を利用して治療に活かされています。
日常では7種類ほどのステロイドの飲み薬が使われており、作用時間で3タイプに分類されるので、そのお薬によって飲む回数が調整されます。
点滴は飲み薬とは異なり、直接血液まで届けられるので、効果が高く副作用も少ないと考えられています。
ステロイドの効果が不十分な場合は、大量のステロイドを点滴で体に投与し、徐々に減らしていくパルス療法もあります。
ステロイドの点滴でも効果が不十分だと、注射器で鼓膜を破り、鼓室内に直接ステロイドを入れる「鼓室内ステロイド注入」をする場合があります。鼓膜に空けた穴は自然と塞がりますが、3～4回注入を繰り返すと、穴が開いたまま塞がらなくなることがあるため注意が必要です。
穴が開いたままだと細菌が入りやすくなり、感染症を起こして耳が聴こえなくなるリスクが高まるので、くれぐれもお気を付けください。
※下記は、鼓室内ステロイド治療を数回ご経験されてから、当院の鍼治療を受けにいらした患者様の鼓膜写真と、健康的な鼓膜の写真です。
患者様の鼓膜
(来院時)
健康な鼓膜
(好例、見本)
※穴が開いた鼓膜は、レーザーをあてる治療をおこなうと、少しずつかさぶたができ始めて穴の修復が始まります。
治療経過①
治療経過②
治療経過③
治療経過④
ステロイドを使うと脂肪の代謝に異常が出やすくなるので、太ったり顔が丸くなったりすることがあります。ただ突発性難聴のステロイド治療は短期間なので、あまり心配をしなくてもよい副作用です。
ステロイドを使うと体内に塩分が溜まりやすくなるため、血圧が高くなります。高血圧や糖尿病、妊娠されている方は、特に注意が必要なので、突発性難聴を発症された場合は、入院して治療を受けていただくことをおすすめ致します。入院していれば、万が一副作用があらわれても、すぐお医者様が対応してくださいます。
当院に通院された患者様で、もともと高血圧で基幹病院の内科で出されたお薬を飲んでいた方がいらっしゃいました。最高血圧135～最低血圧88mgにコントロールされていましたが、同じ病院の耳鼻科でステロイドの飲み薬でパルス療法をされ、副作用で血圧が最高240～最低150まで上がってしまったケースがありました。
パルス療法などで長期的にステロイドを使っていた場合、骨がもろくなる副作用があるので、骨折や骨粗鬆症になるリスクが高くなります。
右耳の突発性難聴を発症→ステロイドのパルス療法で改善→６か月後に左耳の突発性難聴を発症。左耳はステロイドのパルス療法では変化がなく、当院の鍼治療に来院されました。通院期間中、軽トラの荷台から下りようとして股関節を骨折してしまいました。
ステロイドのパルス療法で突発性難聴が改善→ステロイドをやめてから聴力が悪化→以降ステロイドを使って状態が安定。3カ月後に階段を下りている最中膝に激痛が走り、整形外科で膝の圧迫骨折が確認されました。
ステロイドが効きずらい突発性難聴の場合、自律神経の乱れが大きく関係していますが、自律神経の状態は体表温度にあらわれるため、当院では医療用サーモグラフィで自律神経の異常を確認しながら、突発性難聴の鍼治療をおこなっております。
多くの患者様のお体を診させていただいた中で、特にパルス療法をされた患者様が、両足・両手・腰回り・背中の体表温度が低いことが分かりました。また体表温度が低い方ほど、耳鳴り・音の響き・めまいなどの症状が強く出ていたり、良い方の耳の聴力が低下していたりするケースが多いです。
ステロイド治療は急にやめると副作用が起こりやすくなるので、徐々に投与量を減らします。ただ長期的にステロイドを使っていた場合、徐々に量を減らしても、自分の体でつくられるステロイドホルモンが出づらくなり、離脱症状として頭痛や不眠があらわれることがあります。
ステロイドは脳内神経にも影響を及ぼすので、幸せな気持ちになったり気分が沈んだりすることがあります。短期的には幸せな気持ちになることもありますが、突発性難聴の症状とステロイドの副作用が重なると、うつ状態になることが多いために注意が必要です。
鍼治療は、人間がもつ自然治癒の力で症状を改善していくので、副作用がなく、糖尿病・高血圧・妊娠されている方でも安心して治療を受けていただけます。
突発性難聴は「耳で梗塞が起きている状態」なので、血栓ができやすい方だとステロイドが効かないケースが多いです。もし直系の近親者の方に、脳梗塞や心筋梗塞を発症した方がいましたら、ご自身も血栓体質の可能性があるので、なるべくお早めに鍼治療を始めていただくことをおすすめ致します。
森上鍼灸整骨院では、血栓体質の改善や聴力回復の鍼治療ができるので、ステロイドが効かなかった突発性難聴にも効果的です。また、全身検査から自律神経異常と血流異常が分かるので、もとから症状を解決できる治療法をご提案できます。ご心配なことや何か分からないことがありましたら、ご相談ください。
私が書きました
森上鍼灸整骨院 院長 吉池 弘明
突発性難聴の治療経験36年。医師とは異なる検査【医療用サーモグラフィ】を取り入れ、のべ25万人を検査、治療成果を上げる。自らを「サーモグラファー」と命名。耳鼻科疾患の鍼治療に欠かせない、自律神経・ストレス状態をデータから読み解き、患者様ひとりひとりに合わせた治療を行っている。はり・きゅうの日生まれ61歳。
長野県須坂市にある突発性難聴専門の鍼灸院です。
突発性難聴の発症には、お体に何らかの原因があると考えているので、医療用サーモグラフィやエコーなどで全身検査をおこない、根本原因から解決する鍼治療に取り組んでいます。ご不安なことや分からないことは、何でもお問い合わせください。
原因を素早く見つける
他にはない、当院独自の検査方法
聴力検査
お医者様とは違った角度から、骨導、気導のフルスケールの聴力検査をして、鍼治療の効果を最大に引き出すツボの選定をしています。
カラダの歪みを確認
めまいで始まる突発性難聴の患者様は、もともと頭蓋骨が重心上になく、体が歪んでしまっている方が多いため、歪みを治す鍼治療をします。
エコー検査
免疫力の低下や自然治癒力の低下は血流の異状から出ることが多いので、循環器用のエコーで手足や首の血流の異状を探して鍼治療をします。
患者様の声
S.T.様静岡県
頑張って通院してよかった
先生から「通院の道のりも大切な治療時間だよ」と言われ、ドライブを楽しむ感じで通院しました。介護福祉士なので、利用者さんとの会話は不可欠です。治って本当に良かったです。
Y.N.様山梨県
もっと早く始めれば良かった
部屋からまったく出られないほど辛かったのですが、森上さんの治療のおかげで、今では買い物にも会社にも行けるようになりました。耳も体調も絶好調です。
M.K.様東京都
知らない土地での治療が刺激に
耳鳴りと音の響きが続いてましたが、少しずつ良くなってきました。きっとリラックスできているから良いんでしょうね。食べ物は美味しいし温泉でゆっくりできる。長野がとても好きになりました。
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